うたかたの日々

育児中のパパ目線から、日々買わされるボーイズトイや教材などのレビューを書いていきます。

草思社 考える力がつく算数脳パズル なぞぺー

草思社から出版された、考える力がつく算数脳パズル「なぞぺー」です。

以前にレビューを書いた「賢くなるパズル」からの流れになるので、下記のとおり、リンクを貼っておきます。

auraclover.hatenablog.com

「なぞぺー」は「なぞなぞペーパー」の意味らしく、なぞなぞのように楽しみながらできる算数パズル。
著者の高濱正伸氏が主宰する学習教室「花まる学習会」で長年使われてきた問題の傑作選とのこと。
著者自身の指導経験から、どうやら独自の教育論を掲げているらしく、ざっくりと要約すれば。
「思考力の本体部分は、小学3年までに育ち終わるため、それまでに以下のように分類した『考える力』をつけるべき」なのだそうですが。

1 見える力
a 図形センス:必要な線だけを選択的に見る力や、無い線(補助線)が見える力など。
b 空間認識力:頭の中で、三次元の立体などをクルクル回したり、切ったり、展開したり、いろんな方向から自由に眺めたりできる力。
c 試行錯誤力:手を動かして考える力。イメージ力の豊かさを基盤に、図や絵を描いて、突破口を見つける力。
d 発見力:アイデアやひらめきが頭に浮かぶ力。

2 詰める力
e 論理性:基本的な論理の第一歩の課題を踏み誤らない、正確な論理力。
f 要約力:「煎じ詰めれば要するにこういうことだ」と、問題文の意図をつかみ取る力。
g 精読力:漫然とした読書などと違って、一字一句間違いなく読みとる、精密に読む力。
h 意志力:「どうしても最後まで解ききるぞ」、「自分の力でやり通すぞ」と、こだわることのできる意志の力。

ここで、お笑い芸人「サンドウィッチマン」のネタから一言、引用すれば。
「ちょっと何言ってるか分からないです」
臨界期や分析に関して、根拠などがいっさい示されていなかったからです。
著者曰く、教育論の詳細に関しては、別の著書を勧めていましたが。
宗教やセミナーの勧誘手口と、そっくりそのまま入り口が同じなので、いかがなものだろうかと。
しかし学歴そのものが宗教みたいなものとして、確信的に主宰しているのでしょうから、それはそれで構いません。
いわゆる、紙一重な話。
例えば、高学歴と低学力の両方を兼ね備えたような信者を対象とすれば、結構な数を集められると思うので、ぜひ励んでいただきたいと思いました。
決して社会悪にまではなりえませんし、なにより誰も損害を被りません。
まさに「儲かる」と言う、漢字の作りどおり。
(なお意見や感想には、個人差があります)

 

先述、めずらしく辛辣に踏み込み過ぎてしまったかもしれないので、慌ててフォローしておきます。
教材を見る限り、問題の作成能力においては、確かなのでしょう。
ごく個人的に、どうせ教材は使い捨てるだけなので、それで十分です。
なお2分野8項目の提唱に関しては、すべて小学校入試の際に、暗に求められた能力でした。
(g 精読力は、ヒアリングも含みます)

抽象的かつ大袈裟に、課題を提示されてはいましたが。
同著者による他の教材なども参考にしてみたところ、簡単に言ってしまえば。
小学3年までに、数学A・Bにまで及ぶ範囲の問題を理詰めによって解く、論理・数理的思考力のことを、あえて(セールストークとして)言い換えているようでした。
要するに、そのような子供が、勝負どころで「差がつく力」を伸ばし「後伸びする子」に育つのだ、と。
確かに間違ってはいませんし、選別の基準としても明確です。

但し、このような手法には、数学ならではのレトリックが裏付けとしてあります。
一聴、一見だけすれば、くだらないような、ごく単純な問題が、実際は解法や証明を考えようとするならば、なんと世紀を跨がなければ解けない難問であったりすることが、めずらしくはないからです。
一例として、有名な四色問題は、コンピュータの発達も手伝い、すでに解決が見られた定理でしたが。
たった一言で言ってしまえば。
「地図を塗り分けるには4色で十分か?」と言う問題でした。

フォローのつもりでも、結局はシニカルな見方をしてしまいましたが。
教材として、特に理詰めの問題作成に関しては、本当によく考えられています。
難問とされた問題に関して言えば、実は高校数学レベルの問題を、表面上は小学算数レベルの解法から対応できるように、上手く落とし込めています。
なので理詰めの問題集として、おすすめです。

終わりに「なぞぺー」のみに絞って言えば。
対象年齢は、おおよそ5歳から小学3年までが想定されています。
難易度は3段階に分かれ、もっとも簡単とされるレベル1(A問題)は、難関校を含む小学校の入試問題と類似した上で、更に上回る内容でした。
次にレベル2(B問題)は、日能研サピックスに見られる文章題から手引きを省いた上で、なお独自性が強い問題ばかりが並びます。
近年は問題文の著しい長文化も見られる日能研とは、真逆の姿勢です。
また、それらの解答においては、理解の確認のために、類題も用意されていました。
そして難問とされた中には、必要条件や場合分けなどの論理展開が求められます。
つまりは解答よりも、むしろ解法を評価できるように作られているのです。