うたかたの日々

育児中のパパ目線から、日々買わされるボーイズトイや教材などのレビューを書いていきます。

日本評論社 数学完全ガイダンス

日本評論社からリリースされていた、数学完全ガイダンスです。
ごく簡単に紹介してしまえば、大学入学以降の数学の学び方についてのガイド。
但し20年ほど前に刊行された、いわゆる古書です。
当時の『数学セミナー』に寄稿された記事から精選、まとめられたものです。
おそらくは巻末の『全国数学関係大学院紹介』を除けば、今でも手引きになるでしょう。
(意見や感想には個人差があります)

過去のレビューは、下記のリンクから。

auraclover.hatenablog.com

表紙にもあるとおり、本書は「数学ビギナー」を読者として想定しています。
ここで言う「数学ビギナー」とは、おおよそ理系の中高生から大学生です。
とりあえず数学検定1級を合格できる程度の学力があれば、おそらくは自学や進路などの参考になるはずです。

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いつからか書架に収まっていた一冊でしたが、子の臨時休校をきっかけに手渡すことになりました。
これから数学とどのように向かい合うべきか、と言うよりも。
むしろ、これから数学にどれだけの時間を費やすべきか、と言うことについて、そろそろ考えておいて欲しかったからです。
休校に入ってからは、競技プログラミングなどを通し、純粋系の数学とは異なる、実用的な数学の需要を知る機会も得られるようになりました。
また、これらにより色々と説明しておかなければならない面倒が省けました。
(意見や感想には個人差があります)

 

目次

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もしも理系を志望するとして、いわゆる数学に限り、予めから具体的に知っておいた方が良いであろう内容が詰め込んであります。
但し、人生や生活などにおけるデメリットには触れられていません。
例えば勉強したり運動したり、何なら遊んでさえいれば、ポジティブに評価してもらえる時期は限られており、それを幼少期などと言うのでしょう。
次に、十代の内は、それでもまだ許されます。
そして社会人以降になると、自己目標を掲げる場合を除けば、年齢を重ねるごとに困難になっていきます。
これはこれで説明するには大変な文章量になってしまうし、ざっくばらんに人それぞれとも言えてしまえるので、ここでは触れません。

さて本書の導入部から、高校数学程度の一行問題を紹介しておきます。

問題 1.「負でない実数 x, y, z ≧ 0 に対して、x + 2y + 3z ≧ 12 が成り立っているとき、x + y + z ≧ 4 を示せ」
不等式の変形です。
過不足なく解くのであれば、3行。
まず出題の意図としては「高校までの数学をどのように学習してきたか」を知れます。

問題 2.「ベクトルとは何か? 説明せよ」
2つの演算を欠かせません。
それらを予め定義されているものとして答えるならば、高校数学。
理系の共通項である線形代数の延長として答えるならば大学数学として、二分できるはずです。

ところで9月入学に関する論議の俎上にて、ようやく大学の価値を問う声も上がるようになってきました。
たった一言で言ってしまえば「学歴の値段は、それに見合う価値があるのだろうか?」と。
これには世代間の格差による、価値観の分断が見受けられました。
少子高齢化および学費の高騰を止められずにきてしまった結果、今後も引き続き、数の論理により折り合えないでしょう。
いつまでも「自己責任」と言った論調が大勢を占めてしまうのは、率直に言えば気の毒に思えてなりません。

政治、行政においては、緊急時だったとは言え、とうとう「国益」などと言う言葉は聞かれませんでした。
衰退途上国らしいと言ってしまえば、その通りでしょう。
近年の懸案だった正規雇用と非正規雇用間の待遇格差は、前者が後者程度にまで引き下げられることで、そろそろ解消されても良い頃合いのようです。
まさか新型コロナウイルス感染症の拡大防止策が、結果的に働き方改革を否応なく推進させることになるとまでは予想外でした。
そしてコロナ禍の最中においては、逸早く集金を最優先とした私大もありました。
これはこれで間違ってはいませんし、私大の方針としては正しいとも言えます。

凡そ半世紀以上に渡り義務教育が強いてきた年齢主義は、すでに日本社会全体の硬直化にまで至りました。
その延長にある新卒採用や終身雇用慣行、それに年功賃金制度などなど、まるで芋蔓のように挙げ連ねていたら、すぐに新書ぐらいであれば上梓できそうな文章量になってしまいかねません。
終わりに、『米百俵』と言う故事を紹介しておきます。

ja.wikipedia.org

自粛要請のピーク時の外出は、そう遠くない将来の風景のようにも垣間見えました。

以上、おつかれさまでした。